飛行機が定刻より早く羽田に着いた。

昼食に出た牛肉をビニールに隠し持ち

リムジンバスに乗る。

高速道路が珍しく本物の高速道路で

羽田から調布まで何と35分で着いてしまった。

早く抱きしめたい私の気持ちをリムジンバスが

後押ししてくれた。

電車に乗って駅からはいつもは乗らないタクシーに乗り

五郎の名を呼びながら玄関に飛び込んだ。

五郎はすぐに来てしっぽはふってくれたが

　普通　いたって普通

体中くねらせて喜びを表現しない

声を出して　ママどこ行ってたの～会いたかったよーと

ぴょんぴょん跳ばない　（前の犬は嬉しくておもらししたよ）

騒いでるのは私だけ！恋しいのは私だけ

肉を食べたらテレビの前のマットに寝そべっている。

五郎の体の中に化粧品を入れたくなくて

すっぴんで飛行機に乗ったのに

顔を舐めることもなく

静かなご対面となった。

なあんか寂しいよ五郎さん

私がいなくても平気なのね？

何だか片思いみたい

疲れがどっと出た。

もしかしてわざとクールに振る舞ってる？

感情抑えてる？

まさかね