五郎との出会い
五郎と暮らしはじめてもうすぐ一年がくる。
4番目のシーリハムテリアのHANAが心臓の病気で急死してしまいペットロス著しい息子と私はペットショップでスタンダードプードルの五郎に出会ってしまった。犬はブリーダーからと決めていたのにもしくは保護犬でペットショップは問題外だと思っていた。
年齢的に犬との生活は最後になるだろうと、それなら憧れていた大型犬できれば頭の良い大型犬と漠然と思っていた。
ネットで調べるとボーダーコリーの次に頭がよいのがスタンダードプードルだそうでブリーダーもいくつか見つけた。まず親犬を見なくては!ぐいぐい引っ張らずのっそりゆったり歩いてくれるそうだ。それが茨城のブリーダーさんに行く予定が台風で2週間伸びて娘達の住む所に遊びに行った帰りの国道沿いのペットショップにふらりと立ち寄ってしまったのだ。
大丈夫、今までだって犬は沢山見てきたわ。家族、パートナー選びは慎重です。ましてペットショップの生体販売禁止に賛同しているんですからね。
しかし、今まで何処のペットショップでも見たことのないスタンダードプードルがいたのだ。私の信念は茶色い静かな毛の固まりを抱き何とも言えない不安そうな目を見た途端吹っ飛んでしまった。「家の子になる?」と聞いたら五郎は私の鼻をペロリと舐めてくれた。衝動買い?いえいえ運命的出会いと呼びましょう。そこにはラブラドールもゴールデンレトリバーもバーニーズもいたのに私はただ五郎にだけときめいた。
五郎は3ヶ月と二日でペットショップを出た。何時からいたんだろう?親犬から何時離されたのだろうか?兄弟犬とは充分遊んだのだろうか?それを考え出したのは帰りの車の中だった。
家に着き畳の部屋に大きなハウスを組み立てた。トイレの用意餌におもちゃに必要なものはすべてお店が付けてくれたんだって。今までの経験から子犬は来た夜は必ずキュンキュン泣くものと思っていた。五郎は泣かなかった。