雨の葬祭場
犬を飼っていると何があっても散歩に行くのでそれは良い事だと思います。
その日の天気を肌で感じる自分の体調や精神状態も知る事ができます。まだ桜が頑張ってる 去年はロック今年は婆ちゃん晴れやかだった春の幕開けを知らせるはずの桜は命の儚さと涙で見上げる花となりました。
用意された用件の確認と打ち合わせの散歩でもあるわけで8時50分出発を伝えているとハッチが落ちている枝をくわえて嬉しそうにしていました。君は良いね喜びの塊りだね
ハッチは家ではケージの中で喜んで休息が取れるので安心して葬祭場と火葬場が一体となっている所へ出かけました。現地集合の家族たちは離れていてもすぐに見つけられました。
孫5人が嬉しくて はしゃいでいます。特にナンバー4がいとこに会えて嬉しくて仕方がないのです。可愛い姿に癒されました。
長男の嫁は何かと気配りのできる人なので頼ってしまいます。
お別れの時間が来て
みんなで母の棺を囲み思い思いの品をプレゼントしました。私は母の自慢だった調理師免許証と入れ歯と好きなお菓子と花束を入れました。足下には孫の書いた絵や次女からの手紙や羊羹が入っていました。シミのない綺麗な婆ちゃんでした。髪を撫でると涙が出てマスクをしていたので泣き顔が隠れてこりゃ便利だと思いました。娘たちの表情もマスクでわからないのです。ありがとうの言葉と啜り泣きと孫のバイバーイで婆ちゃんは行っちゃった。
うちのお寺のご住職さまは凄いお方で すぐ隣の式場から私の願い通りにお経が聞こえたのですよ。
ネネちゃんに焼香の仕方をゆっくりと教えました。「なんで3回なの?」「さあ?そうだよねなんで3回だろうね ググって後で教えるね」形だけだったことの意味を孫に問われて考えました。そうだよね 意味を知っていれば前の人を見て真似なくてもできるよね。
焼きあがり(?)45分 早いね
なんで二人でお箸で骨を拾うのか
わからない事ばかりでしたが孫たちの興味津々の表情が面白かったです。
婆ちゃん自慢の舶来品の人工関節が出てきました。「あたしのはドイツ製の舶来品だよ」と笑っていたのを思い出しました。顎の骨の形が婆ちゃんだねと娘たちと話しました。
雨が一日中降っていました。
お母さんありがとう 自由奔放で楽しい人生だったよね?振り返って悔いる言葉を1度も聞いた事がありません。
高校生の時に「なんで妻子ある人との間に私を産んだの!」となじったら「だって欲しかったんだもーん」と軽く言っていた母。「最低の大馬鹿じゃないの!」と言ったら「それまで死にたいと思ってたけど(実際に何度か)試みたけど あんたを産んでからは思わなかったのよ〜」と笑っていた人です。婆ちゃん お母さん 節子さん 産んでくれてありがとうね。
葬祭場での家族解散の挨拶は「次は私の番かな?その時はよろしくねー」「犬 置いていくなー!」「ハハそうだよね」