野生の感
父が「早く天国へ行きたい」と言いました「苦しいのね でも お母さんが寂しがるよ」としかいえなかった。熱が37度5分に上がって辛そうに息をしました。酸素量が急に88になり慌てましたが鼻からチューブが外れていたので元に戻すと94まで上がりました。
食べると吐きたくなると言ってお粥も首を振ります。水とメイバランス ヤクルトとエンシュアシャーベットだけです。
犬の時に食べなくなるとお別れが近くて強制給餌は苦しそうだからやめたほうが良いと知ったのに 目の前の食べない人を放っておけない私です。
息子や夫は無理に食べると苦しいだけだから食べさせなくて良いのでは?と言います。何を聞いてもクビを横に降ります
父の手を握り話しかけると父は黙って聞いてくれます。「お兄さんの名前は〇〇さんでしょう?それからお父さん そして長女は〇〇さん次女は〇〇さん次は〇〇さんっで〇〇おじさんと‥‥」とうとう全員の名前を聞き出し覚えましたよ。お父さんのお父さんは村一番の秀才だったそうです。少しすると疲れて目を閉じて寝息を立てます。今のうちに洗濯をしてしまおうと思って そっと離れると直ぐお母さんが私の名前を呼びます
父は身体の置き所がないのかゴロゴロあっちを向いたりこっちを向いたりしています。オムツを勝手に外したり 中からパットを引き抜いたり器用な父です。
午前中は訪問看護
身体を清潔にして下さって口の中の清潔を保つ方法を教わりました。
お昼頃また なんの前触れも無く長男がバイクで来ました。今度はタカちゃんを後ろに乗せて来ました。丁度ポータブルトイレに行きたがる父に遭遇して介助してくれました。オムツになってもやっぱりトイレに行きたいと父が言うのでポータブルトイレの出番となりました。長男はひょいひょいと体位を変えて素早くオムツをしてくれて「まだ昼間はリハビリパンツの方が良い」と指示されました。プロの技は鮮やかです。
長男が週末まで泊まり込みで手伝ってくれる事になりました。父の隣に寝てくれます。母も下の部屋でゆっくり寝て貰えます。タカちゃんはゴンさんが居るし 仕事もあるからと電車で夕方帰りました。何も言わなくても率先して手伝ってくれる長男と後押ししてくれるタカちゃんに心から感謝です。
長男が来ると大興奮で大喜びする五郎とハッチでした。
私の誕生日の時も今回も何も言わなくてもタイミングよく来る長男の事を長女と次女にLINEで話すと「あーちゃん(長男の事)は野生の感が働くからね」と言われました。確かに小さい頃は野生児だったけれどね
夜中も何回も介助に起きてくれたようです。長男が帰ったら来週から私も父のベッドの脇で寝ようと思います。父ちゃんにもそろそろ長期休暇をとって貰いたい。父が日に何度も「茂はいつ来るのか?」と聞くのです。
今日来るよ ソフィアと一緒にね